2025.09.27
靴づくり編13_ボロネーゼ製法
今回は、弊社の TOUNでも採用している「ボロネーゼ」という製法をご紹介したいと思います。

ボロネーゼ製法は、イタリア・ボローニャで生まれたつくり方です。
特徴的なのは、前半部分には中底が無いことで、替りに甲革のライニングを袋状にして、そこに表底を付けます。
前半部分は袋状になっているため、足を包み込むようなフィット感が得られ、屈曲性に優れています。
それでは工程を順にご説明します。
製甲の際、つま先側の前半分は袋状になるように縫製します。

下の図はラストを入れた状態です。


中底は、一般的な製法では爪先までの物を使用しますが、ボロネーゼの場合、後半だけの中底を使います。
その分、前半の屈曲性が良いのです。
左は通常、右がボロネーゼ用の中底です。


トウの先芯とライニングを先にラスティングします。


先芯とライニングをラスティングした後、表側のアッパーを通常どおりトウ、サイド、ヒールの順にラスティングして底付けします。




今回は、ボロネーゼ製法のご紹介でした。