2024.11.19
靴づくり編11_型紙その①
今回は型紙作りと、その型紙がアッパーになるまでの工程を2回にわたって御紹介します。
型紙は材料を裁断する際に使うゲージなので下の写真の様に平面です。
対してラストは立体で、型紙作りは立体であるラストに靴の絵を描くところから始まるので、立体から平面
に変換する必要があって、ここが作業的にも、皆様にお伝えする上でも少々難しい所です。そこで、以下1~3に区分して、ご紹介することにします。
1)ラストの表面積や長さや形を平面に落とし込む為の原型(弊社ではそう呼んでいます)作り
2)ラストに描いたデザインを写し取る半型(弊社ではそう呼んでいます)作り
3)半型から各パーツの型紙を切り出す作業
1)原型作成
今回選んだラスト、No.1204の原型を作ります。
下の写真はデザインテープ(おそらく商品名)という物ですが、伸縮性のあるガムテープをイメージしてください。
これをラストに貼り付けていきます。
外側の全面に
余計な部分をカットし
こうなります。
はがして
ラストの表面積や長さや形を再現しているところのデザインテープを厚紙に貼り付けます。
ラストの上でカットしているので再現されるという理屈です。
原型のマスターが出来上がりました、新しい型紙を作るときは、これを厚紙に書き写して使用します。
ラストの数だけ原型があります。
2)半型作成
まずラストに作りたい靴の絵を描きます。
デザインは、何を選んでも良かったのですが、シンプルな内羽根のストレートチップで
下の写真の様にこの絵を写し取ります。
透明のシートはトランスシート(商品名)という便利なもので、これを絵の上に貼って
線をはっきり書きます
これをはがし
線を切り出して
原型の上に、その線を書き込みます。
ラスティング時に必要な、つり込み代の分を大きくして
全ての線に切り込みを入れ、半型が出来上がりました。
下の様なデザイン毎の半型は、型紙と一緒に保管されます。
3)パーツ毎の型紙の作成
半型の切り込みに沿って、パーツの線を厚紙に書き込み
切り出します
パーツ毎に、これを繰り返し、表の型紙が出来ました。
同じような要領でライニングの型紙を作ります。
型紙が完成しました。
型紙の作り方も様々ですが、今回はイタリアのある靴学校で教えられた方法です。
次回その2では、型紙通りに材料を裁断し、縫製する作業をご紹介します。
最後まで読んで頂きありがとうございました。