2025.05.27
シリーズ「革について」ヌメ革
このシリーズでは、革にまつわる案外知られていない事柄や、雑学っぽい話題を取りあげる予定でして、
今回のテーマは「ヌメ革」です
タンニンを使って鞣された革をこう呼びます
下の写真は、例のブランドのバッグですが、

例えばこのバッグの持ち手部分はヌメ革です。
唐突ですが、「ヌメ」という響きは、なんかヌメっとしている様で個人的に好きになれません
ヌメ革は英語でTanned leatherなので、以下TLと表記させて頂きます
TLの一番の特徴は、見た目も感触も、いかにも革らしい事だと思っています
それを使い込むと、良い感じの皺が入り、摩擦で艶が増し、染色されていない場合には経年変化で色に深みが出て、より革らしくなります
下の写真は、殆ど使用せずに放置されていたショルダーバッグで


光を浴びていた部分と陰になっていた部分の違いが、ご確認頂けるかと思います
これも味と言えばそうなのですが、染色されていないTLに関しては、以下の配慮をお勧めします
・使わないときは袋に入れるか暗所に置く
・シミになる事があるので雨などに濡れないようにする
弊社でもTLで靴を作っています


いずれも良い感じの経年変化が期待できます
因みに、革を鞣す事をタニング<tanning>と言います、これはその昔、植物のタンニン<tannin>を用いて鞣していたところから来ています
tanninは「渋」なので、業界ではヌメ革の事をシブ革とも言います
今回も最後まで見て頂きありがとうございました